塾は禁止!?

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200612230248.html
TBSラジオ「アクセス」でも取り上げられた議論です。私の場合、塾や予備校って行ったことありません。でも大学、大学院まで行きました。小学校時代はスイミングスクールの選手コースに通っていたこともあり、毎日練習だったので塾なんて行く暇もなかったし、中学受験する気すらなかったですから。中学時代も3年夏までそうでした。高校受験に際して、親は「塾行ったら?」とか言われましたが、「いや、絶対行かない!」と断固、ウンとは返事しませんでした。小学校の頃から星に興味を持ち、中学校の頃は星から派生して天文学に興味を持ちました。「天文学を勉強しに、高校すっ飛ばして早く大学に行きたい」と今となっては恐ろしいことをのたまわっておりました。勉強嫌いではありませんでしたが、特に成績は抜群!というわけではありませんでした。かと言って、塾へ行ってまで勉強をしたくありませんでした。希望の高校に進学してから、勉強の好き嫌いがハッキリしてきました。理科(物理・化学など)は大好きで自分で言うのもなんだけど、成績抜群!数学は1年生の頃はあまり好きになれず赤点取ったこともありましたが、2年生から急に数学がわかるようになり、抜群の成績ではありませんでしたが、数学の勉強が大好きになりました。逆に、英語・国語がダメになりました。何でダメになったのかは分かりません。特に英語は大嫌い。国語は勉強する気すら起こらず・・・。この2教科については3年間偏差値50を越えたことがありません・・・。この有様を見た母親から、大学受験に際して「塾へ行ったら?」と何度も言われました。心配でしょうがなかったのでしょうね。安心させるためにも妥協して「進研ゼミ」の数学・物理・英語をやりました。でも、全然通信添削とか送らなかったなあ・・・。高校が進学校だったこともあり、朝はゼロ時限目という名の早朝補習、午後は7時限目という放課後補習をやってくれていて、内容はほとんど受験対策でした。3年生になると受験対策合宿というのがあったりと、高校に通うだけで、ある意味塾に通っているような感じでした。これにさらに本当に塾へ通っている友達がいましたが、ホント尊敬しました。よくそんなに勉強する気力が続くなあと。
今となっては過去の話なので何とでも言えるのですが、受験や就職にも共通すると思うのですが、合格するところは自分にあった学校・会社、落ちるような学校・会社というのは、しょせん自分の実力や能力レベルに合ったところではないのではないでしょうか?それを無理に塾や予備校で無理矢理にレベルを上げて、合格して入った大学・会社で勉強・仕事をしていて、しんどくはありませんか?私はいつかしんどくなるんじゃないかと思います。たとえば、私は山口大学出身ですが、高校時代に塾へ行き、レベルを上げて広島大学に入ったとしても、授業や研究内容についていけず、「こんなはずじゃなかった」という気持ちになったと思います。これが無理せず、自分のペースで勉強してきて結果合格した山口大学だからこそ、4年間学びたい物理学を堕落せず勉強し、挙句の果てには大学院まで行けたんだと思います。現に、高校・浪人時代は塾やら予備校に通って成績トップだったのに、山口大学の授業ですらついていけず、単位が取れず留年したり、いつの間にか堕落してしまい、希望の研究室に入れなかったりしている同期生を沢山見てきました。私も合格続きできたわけではありません。大学院受験の際に広島大学の大学院を受験しました。結果は不合格でした。あまりにも学力レベルが違いすぎたと、"試験中"に感じました。そして、ここにまぐれで入れても、全国から集う広島大学院レベルの物理学生相手に勝ち抜くと言うか、上手く同じレベルの議論ができるのだろうか?と思いました。結果、山口大学の大学院で幸せだったと思っています。一応、大学院ですから、議論相手が教授だったり、博士課程の先輩だったりするので多少の無理はしましたけどね。でも、楽しく2年間過ごすことができました。
私のこれまでの人生のなかで、塾や予備校という存在は必要ありませんし、もし、こどもができても、強いることは無いでしょう。「行きたい!」と自分から言ってきたら考えますが、ここまでお話ししてきたような内容の話しを聞かせて説得するかもしれません。「塾は禁止」と今回、政府の教育再生会議野依良治座長が主張したのも、私と同じように野依氏が人生で塾へ通ったこと無いからだと思います。必要性を感じたことが無いんでしょうね。だって、ノーベル化学賞受賞者だもん。ただでさえ賢かったに違いない!と思います。
結局言いたかったのは、「塾は禁止!」しなくても、「塾は行く必要なし!」と思うのです。「行きたい人は行けばいい!でも、しんどいだろ?」と言うことです。