やっとこさ読み終わり

松井孝典 『コトの本質』
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コトの本質

コトの本質



とある先輩よりお勧めを頂いたので読んでみました。前半部分は「えらくとっつきにくい内容だなあー」とチョット挫折しそうな気持ちで読んでましたが、半分を過ぎたあたりから著者が言いたいことが見えてきました。「研究をするということ」、「研究職としてあるべきすがた」、そして「問題を解くことも重要だけれども、もっと重要なのは"よい問題を創ること"」。
院生時代の自分がそうだったのか、そういう努力をしていたか、反省をしました。私は「問題を創る」レベルに行く以前に「問題を解く」ことで精一杯だった気がします。そして出される問題に「答えなければ・・・」という義務感を抱き、「解」を示せず焦り、それが自分を追い込んでいきました。そんなだから「こんなにしんどいんじゃあ、博士課程なんて無理だなー」「そろそろ物理学の世界から距離を置いて、"追われない"生活をしたいなあ」と感じて修士課程で打ち止めにしました。今思うと、あのころ悩んでいた問題は、自分で「問題を創れない」私に「じゃあ、問題を出してやるか」と課せられた程度のものだったのかもしれません。自分で問題を創り、自分なりの解を示せば、それはそれでよかったのかもしれません。